first 13

 

「小夜も飲むかい?」

 大泣きしているのが分かっているだろうに、まったく気にしてない。いや、むしろ、どことなく‥‥‥‥‥‥楽しそうだ。

 

 ぞくり、

 

 と、背筋に悪寒が走った。

 

 キケン

 

 ノンデハダメ

 

 それは、直感としかいいようのないもので、なんの根拠もないもので、けれど馴染み深いものでもある。

「‥‥‥‥‥‥これ、は‥‥‥」

「名前、知ってる?」

「‥‥‥‥‥‥いえ‥‥‥」

 不意に、カクテルを持っている腕を掴まれた。

 逃げようと、する暇もなく引き寄せられる。

「‥‥‥‥‥‥LAST KISSって言うんだ」

 頬に冷たい感触を感じた。

 咄嗟に手を振り上げる‥‥‥だが、振り下ろすことはできなかった。

 

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥ナル‥‥‥‥‥‥」

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥lastkissmenu    back   next