人生はいろいろだと言うけれど。

 いろいろでなくて十二分だと思う‥‥‥。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しんとうあい3〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ずしり、と、胸が重くて、息苦しくて、イルカは、息も絶え絶えだった。

 目の前には、胸。

 白くて大きくて柔らかい胸がある。

 女性と深い付き合いをしたことのないイルカにとって、それは、あまりにあんまりにもすさまじい光景だった。

 ましてや、それが、自分の胸だなんて。

 もう、脳味噌の許容量を遥かに越えている。

 パンク寸前だった。

 だが、なぜか、どうしてか、非常に怒っている上忍は、逃げることを赦してくれない。変な人だと思っていたけれど、優しい所もあったのに、本当に嫌なことはしなかったのに‥‥‥いまは、どんなに頼んでも赦してくれない。

--------なんで?

 なにがどうなってこうなっているのかイルカにはさっぱり分からなかった。

「‥‥‥そんな可愛い顔しても駄目です。ほら、たっくさん触って」

 手を掴まれて導かれるのは、胸。

 膨れてしまった自分の胸だった。

 触れた途端、ふるりと揺れるのが分かって、ものすごく嫌だった。

 怖かった。

 どうしたら良いのか分からない。

 だから、必死に、手を遠ざける。

「‥‥‥もー、素直じゃないんだから」

「‥‥‥か‥‥‥かかしせんせい‥‥‥」

「んー?」

「‥‥‥な、なんで‥‥‥こんなこと‥‥‥」

「乳好きでしょ?」

 イルカは、なんとか事態を把握しようと、必死に、問い掛けた。

 だが、言葉は通じなかった。

 絶望的なほどに。

「だから、好きなだけ触らせてあげようと思って。他の乳は触ったら駄目ですよー。あんたが触っていいのはこの乳と、この乳だけ」

 逃げることを赦さぬ強い力で掴まれた手が、今度は、鍛え上げられた胸に触れさせられた。

「でも、ま、今日は、こっちの乳揉んでなさい」

「‥‥‥や‥‥‥やです‥‥‥や‥‥‥」

「我侭言わないの」

 ひどいことを当たり前のにように言って笑う人が、イルカは、本当に、理解できなかった。分からないと思っていたけれど。それはこんな種類の分からなさではなかったのに。

「‥‥‥いや‥‥‥いやです」

「んー。頑固だねぇ。じゃあ、正直にさせてあげる」

 楽しそうに笑う顔も怖い。

 にじみ出る怒りの気配が恐ろしい。

 だが、イルカは、逃げることすらできず、あらがうこともできなかった。

 上忍の気配に圧迫されて、息さえ、苦しい。

--------カチャ。

 微かな金属音がした。

 そして、まさか、と、思いたい感触が下からした。

「ふふ、かーわいい」

「‥‥‥や‥‥‥」

「怖いんだねぇ。可哀想に。そうだね、初めては、怖いよね。うん、大丈夫。優しく、優しく、とろとろに溶かしてあげる。すぐに、慣れるからね、大丈夫」

 信じられない所に、手の感触がした。

 そして、なま暖かい感触も。

「‥‥‥ひっ‥‥‥」

「ふふ‥‥‥かわいい‥‥‥」

 くぐもった笑い声が聞こえる。

 下から。

 下から。

 下から。

 下から。

「‥‥‥食べちゃいたいぐらい可愛いねぇ」

 くぐもった声がなぜなのか。

 どうしてなま暖かい感触がするのか。

 イルカは、なんとなく、なんとなく、分かっていた。

 けれど、どうしても、見れない。

 ほんの少し、下に、視線を向けるだけなのに。

--------できない。

「‥‥‥ひっ‥‥‥や‥‥‥やっ‥‥‥」

 なま暖かい感触と一緒に水音が響く。

「‥‥‥勃ってきたねぇ」

「‥‥‥いや‥‥‥いや‥‥‥」

 言われなくても、自分の変化にイルカは気が付いていた。

 下肢が熱くて、熱くて、たまらなかった。

 いままで感じたことのない熱さが、痛みのような強烈さで、溜まっていく。

 もうあと少し。

 少しで。

 少しで。

 少し。

「‥‥‥ふふ、だーめ」

 あと少しだったのに。

 楽しそうな声と一緒に、止められた。

 イルカは、え、と、声を上げて、思わず、見てしまった。

 見ないようにしていた所を。

 見て、しまった。

「‥‥‥素直じゃない子は出させてあげない」

 そう言いながら、立ち上がったモノの先端に、ちゅっ、と、キスを落とす男の顔を、見て、しまった。

「‥‥‥っっっっ!」

「あれ、びくびくしてる。どうしたの?」

 笑いながらイルカを見上げながら、男は、破裂寸前でせき止められて悲鳴を上げているイルカの先端を、ぐりぐり潰すようにいじった。

「‥‥‥っっっ!ひっ‥‥‥いっっ!」

 そして、また、卑猥な水音を立てながら、それを、舐めた。

 まるで甘くて美味しいモノを舐めるように。

 嬉しそうに。

 楽しそうに。

「‥‥‥い‥‥‥や‥‥‥いやあっっ!」

 信じられなかった。

 嘘だと思った。

 ありえない。

 けれど、男は、淫靡な気配を滲ませて、見たことのない笑みを浮かべて、色違いの眼差しを細めて、舐めていた。

 カカシ先生が。

 はたけカカシが。

 上忍が。

 里の誇りが。

 里の宝と呼ばれる綺麗な赤い眼差しを細めて。

 立ち上がったイルカのモノを。

 こぼれるモノを。

 美味しそうに。

 舐めている。

--------ビチャ。

--------ピチャ。

--------グチャ。

「‥‥‥いや‥‥‥だめ‥‥‥」

 駄目だ、こんなの。

 こんなの、駄目だ。

 駄目。

 駄目。

 そう思うのに。

--------もっと。

 イきたくて。

 堪らない。

「‥‥‥はな‥‥‥してぇ」

 けれど、イけない。

 イきたいのに。

 締め付けられて。

「‥‥‥出したい?」

 イきたくて。

 イきたくて。

 イきたくて。

 頭がおかしくなりそうだった。

 真っ赤に染まって、破裂しそうだった。

 じんじんと頭の芯が痺れている。

「‥‥‥ならねぇ、ほら、乳、触って。ほーら、気持ちいいでしょ?」

 もうこれ以上はやめて欲しい。

 壊れる。

 そう思うのに、唆されるままに、柔らかいモノを揉むと、気持ちよくて。

 堪らない。

「‥‥‥気持ちいい?正直に答えたら、もっと気持ちよくしてあげる」

 甘い声に訊ねられて、イルカは、頷いた。

 頷くことしかできなかった。

「‥‥‥イイ‥‥‥きもち‥‥‥イイ‥‥‥」

 途端、ぐぐっっ、と、胸を掴まれた。

 痛いほどに。

 そして、

「‥‥‥淫乱」

 酷い言葉が、耳に、届く。

 けれど、酷い、と、思うのに。

 背筋が、ぞくぞくした。

「可愛いイルカがこんなに淫乱だなんて知らなかったなぁ。おちんちんいじられて、作りモノの乳を自分で揉んで‥‥‥そんなに気持ちいいんだ?涎垂らして、凄い顔してるよ」

 ひどい。

 ひどい。

 ひどい、と、思う。

 けれど、その言葉さえも‥‥‥。

「‥‥‥ひ‥‥‥ぃっ‥‥‥」

「ふふ、約束どおり、イかしてあげる。思いきり出しなよ」

 せき止めていた手を外されて、激しくしごかれて、その気持ち良さに、イルカは、なにもかもを忘れた。

 羞恥も。

 哀しみも。

 裏切られたと嘆く心も。

 その時は、快楽に、押しやられた。

「‥‥‥いっ‥‥‥あっ‥‥‥ああっっっ!」

 そして、イルカの頭の中は真っ白に染まった。

 

 

 

 

 

 

 

   

 

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