first 22

 

 でも、もう、やめよう。

 この矛盾はいつまで経っても終わることがないと分かっているし、姿を見ると泣きたくなるほど安堵する自分を知ってしまったから。

 

「‥‥‥‥‥‥ナル‥‥‥‥‥‥大好き‥‥‥」

 

 だから、ずっと、側に居させてね。

 

 囁くように呟いて、麻衣は目を閉じる。

 そして、暖かな腕の中で、再び眠りに落ちた。

      

       ※                                     

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥タスケテ。

 

‥‥‥‥‥‥誰?

 白い夢の中で、麻衣は問い掛ける。

 

‥‥‥‥‥‥駄目だよ。

 でも<彼>が、夢を閉ざしてしまったので、ラインを切ってしまったので、すべては、白い闇の中に溶けて‥‥‥あとかたも残らない。

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥タスケテ。

 

 欠片さえも。

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥lastkissmenu    back   next