‥‥‥‥‥‥‥kingdam-6-0
朝、
目が醒めたら、
世界が変わっていた。
「‥‥‥もう一回言ってくれる?」
なんだか、なにもかもが夢のようで、足下がふらつく。 「誓約した」 「してないっっっっ!あんなのは無効っっっ!」 淡々と告げる片割れと、元気良く叫ぶ少女が目の前にいる。 現実のはずなのに、自分の目が信じられない。 「‥‥‥どういうこと?」 片割れは底意地の悪そうな笑みを浮かべて、事情を説明してくれた。
「麻衣が誓約を嫌がることは分かっていたから、騙した」
簡潔に、悪びれることなく言い切ったナルに、僕は思わず、抱きついた。 やっぱり、ナルはナルだ。 「やっぱりナルは最高だよ!昨日はごめんね!」 「‥‥‥別に」 「お詫びに、今日は、美味しい物をたくさん作るね。ああ、それよりも、麻衣と一緒にどこかに食事に行こうか。お祝いしなきゃ〜」 「‥‥‥必要ない」 「あ、リンも誘わないと。心配たくさん掛けたし〜」 浮かれまくったジーンの耳には、ナルの言葉も吐息も聞こえていない。 そして麻衣のひきつった顔も見えていなかった。
KINGDAM 〜琥珀の章6〜 |
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