‥‥‥‥‥‥‥kokuhaku-omake

 

 

●omake

 

 

「‥‥‥それで、どうして、いまさらそんなことを言い出したんだ?」

「え?」

「なにか理由があるだろう」

「‥‥‥」

 疑問ではなく確定で、ナルは問い掛けた。

 麻衣は、むっつりと押し黙る。

 言いたくなかったので。

 しかし、振り回されたナルは、言え、と脅した。

 無言の重圧で。

「‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥リベンジ」

 重圧に負けて、麻衣は、ひっそりと告げた。

「‥‥‥前回の告白から一月経ったから、今日こそ‥‥‥やり直ししようと思って」

 ナルは、眉を顰めた。

 意味が分からないからだろう。

 麻衣は、言いたくないが黙っているわけにもいかなくて、告げた。

「‥‥‥付き合って」

「‥‥‥何処に?」

 麻衣は、ナルを見上げて、苦笑を浮かべた。

「前も、それ、言ったね。あのね、付き合って、って言うのはね、大好きだから私と恋人になってください、って意味もあるんだよ?」

 ナルは、眉間に皺を寄せた。

「‥‥‥回りくどい。しかも、前回の時、水族館に行きたいと返事をしただろうが」

「‥‥‥頷くとは思わなかったし。まさか、そう返してくるとは思わなかったから、動揺してたの‥‥‥。それに、付き合ってくれたららっきー‥‥‥とか思ったりして‥‥‥」

 麻衣は、おずおずとナルを見上げて、見上げたことを後悔した。

「‥‥‥なるほど」

「ご、ごめんなさいっっっ」

「謝る必要はないな。心配するな。きっちりと、分からせてやる」

「い、いえ、もう、十分ですっっ」

「遠慮するな。つまりは、キスだけでは足りないと言うことなんだろう?」

「ち、違う〜」

「奇遇だな。僕も同じ意見だ。キス一つで固まって動かないから遠慮していたが、そういうことなら、遠慮なく教えてやろう」

「‥‥‥‥‥‥っっ」

 真っ赤な顔で、逃げようとする麻衣をがっしりと捕まえて、ナルは、微笑んだ。

 そして、にっこりと、告げた。

「もう二度と馬鹿なことを言い出さないように、しっかりと体に叩き込んでやるから、安心しろ」

 遠慮しますっっ、という麻衣の叫びは当然のことながら黙殺された。

 

 

 

 

end

 

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