first 7
LAST KISS 〜first〜
照明を落とした店内は、年若い男女の群で埋め尽くされていた。そこかしこで楽しげに笑いさざめくのは、顔を見たことがあるような、ないような、個別には判断できない程度の知り合い達ばかりだ。共通点は、同じ大学に通っている、もしくは同じ大学に知り合いがいる‥‥‥それだけだ。 (‥‥‥‥‥‥来るんじゃなかった‥‥‥) 今夜何度目か分からない吐息を心中でこぼして、麻衣は、店の入口へと視線を向ける。そろそろ迎えが来る頃だ。 早く、来て。 けれど、同時に、沸き上がる騒動を考えると気が重い。 迎えに来てくれるのは嬉しいが、騒音を嫌い、酔っ払いを嫌い、仕事の邪魔をされるのが大嫌いな人の機嫌が悪くなることは目に見えている。 「まぁいいいぃぃぃぃぃ、楽しいいいい?」 「‥‥‥‥‥‥まあまあ」 「でしょ?来て良かったでしょ?」 嬉しげに笑うのは、大学で比較的仲良くしている友人だ。いつもいつもいつもいつもいつも、ともかく、遊びに行こう、コンパに行こう、と誘ってくれる。
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