first1
ふと、隣りを見上げて、不思議になることがある。立春を過ぎてもまだ寒い春の日、いつものようにバイトに来て、いつものように、彼のマンションに寄る途中‥‥‥もちろん、隣りには、綺麗な綺麗な綺麗過ぎる横顔がある。 それが、不思議なのだ。 どーしてこういうことになったのか。 それは、一月前に遡る。 いつものように仕事馬鹿な博士様は、いつものように無茶無謀を繰り返して体調が最悪だった。しかし論文の締め切りが近いこともあって、止めることは無理。 だから隣室に住んでいる見張り役のリンさんが、目を光らせていたのだが、どうしても外せない用事が出来て‥‥‥‥‥‥‥‥‥帰国。 お願いします、と頼まれた麻衣はナルのマンションに訪れた。 それは、まあ、いい。 問題は‥‥‥‥‥‥。 無茶無理無謀な博士様が、居間でばったり、と倒れていたことだ。 限界を越えて、ついに体がそれ以上働くことを拒絶したらしい。 馬鹿である。まさしく仕事馬鹿。 そんなのを見て、放っておけるだろうか。いや、できない。 それからは、朝、昼、晩、と厳しく見張った。 |
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